道鏡禅師像に引き続き、高僧の肖像彫刻の制作が続きます。鎌倉時代の東大寺学僧・凝然大徳の肖像の制作が佳境に入ってきました。

凝然(ぎょうねん、1240−1321)さんは、天竺から中国・日本までの仏教の流れを総合的に踏まえ、南都六宗(法相・倶舎・三論・成実・華厳・律)に天台・真言を加えた日本を代表する八つの宗派の特徴と概論をまとめた『八宗綱要』を著した学僧として「大徳」と尊称されています。

かねてより凝然大徳の肖像を祀ることを願っておられた唐招提寺長老・西山明彦さまからのご依頼を頂き、鋭意制作を続けています。僧侶の衣裳といっても、時代や宗派によって異なり、特に律宗の「律衣(りつえ)」は独特で、修正修正の連続に苦戦していますが、よい勉強になります。2020年秋に東大寺で執行される「700年ご遠忌」までには完成の予定です。